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『丹沢の自然再生』を読んでみる

丹沢の自然再生本前回の備忘録《丹沢の課題と解決策を聞きに行く》で最後に紹介させていただいた本『丹沢の自然再生』(日本林業調査会 2012年)を開いてみると、例えば、たびたび資料として引用させていただいた《丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)》はどちらかと言えば、専門書の傾向が強い硬質なイメージなのに対して、この本は写真やイラストに溢れており、パラパラとページをめくるだけでも、写真やイラストから、丹沢の実情を視覚的にも知ることができるなど、序文にもはっきりと書かれているようにこの本の読者は「市民」それも「自然を愛して環境を大事にする倫理観を持ち、行動するエネルギーを備えた積極的な」市民であると言っています。これが、この本の特筆すべき第一の特長です。

第二の特長は「今、丹沢山地には自然再生の兆しが見えてきた」と、堂々と宣言していることです。「過去10年間に森の中でさまざまな調査と事業が進められ多くの成果と知識が得られた。さらに、これから取り組むべき課題がはっきりしてきた。」という限りにおいての再生の兆しですが、実はこの本の制作に関わった多くの筆者は《丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)》にも参画しており、その延長上にこの本が出版されたという意味は大きなものがありそうです。

そこで、私はこの本の中にビジネスの手法で森を再生するためのヒントを見つけること。特に丹沢という地域の人びと、地域の経済が元気になるためのヒントを引き出したいと思っています。今、NPOが開催する市民参加型の事業や催しがさかんにPRされています。この本のなかでもNPOの活動に多くのページが割かれていますが、果たしてそこに丹沢の地域住民=地域経済の活性化の企みがどれだけ仕組まれているのか、一つ一つ検証しながら、森の再生とこれまでの林業に替わる、新しいスタイルの地域活性化の両立を狙ってみたいと思っているのです。

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