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丹沢の植生は30タイプ(4.総論)

これまで3回に分けて丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)の記述に沿って紹介した《丹沢の植生は30タイプ》ですが、これを地図上に植生別に色分けされたデータとして確認できるのが、《自然環境保全基礎調査 植生調査 2次メッシュ情報》。日本全国の植生の詳細を1/25,000縮尺地図で網羅しています。例えば丹沢山系主要部は以下の8区分で確認できます。

上記8つの1/25,000縮尺地図をgoogle mapと重ね合わせて表示すると、おおよそ以下のような配置になると思われます。


更にこれら8つの1/25,000縮尺地図をダウンロードし、貼り合わせてみたのが以下の地図です。

丹沢植生カラー図
丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)が丹沢大山山系の植生を30タイプに分類したのに較べ、《自然環境保全基礎調査 植生調査 2次メッシュ情報》が提供するこの地図データは70以上の植生に色分けされ、加えて市街地等もその状態によって20以上にこれまた色分けされているため、上記のように極端に縮小された状態では識別不可能ですが、おおよその概要は確認することができます。

標高が低い区域の多くの部分を占めている薄茶色の植林は、人工林であるスギ・ヒノキ植林。これら薄茶色の間で離れ小島のように点在する薄黄緑の植生はクリ—ミズナラ群集等。高標高の区域に拡がる明るい黄緑や緑色はヤマボウシ—ブナ群集、イヌブナ群落、アカシデ—イヌシデ群落を表しています。詳細はダウンロードされたそれぞれの生データで確認されることをおススメしますが、丹沢の自然植生は局部的に「残存」しているに過ぎず、多くは代償植生としての二次林や植林であることが、この地図データからもわかります。

最後になりましたが、今回利用させていただいた《自然環境保全基礎調査 植生調査 2次メッシュ情報》は、ウレシいことに、植生の基本には宮脇昭さんの考え方を採用しており、大変わかりやすく参考ウェブサイトとしても最適な、第一級の資料と言えます。
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