2014年– date –
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マント群落とソデ群落
潜在自然植生に基づいた多層群落の森は、宮脇昭さんの基本的な概念の一つですが、これを宮脇さんの書物のなかでもう少し細かく見ていこうとすると、例の「高木・亜高木・低木・下草」のほかに表題の《マント群落とソデ群落》という言葉が出て来ます。 この... -
丹沢の病い10/10=人の立ち入りの影響
【】 丹沢の病いシリーズの最終回は、これは永遠の課題とも言えそうな《人の立ち入りの影響》について。サブタイトルは「登山道の損傷、不法投棄、禁止区域への侵入」。 森は決してヒトのためにあるのではない!にもかかわらず、ヒトの一方的で傲慢な求愛... -
丹沢の植生は30タイプ(4.総論)
これまで3回に分けて丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)の記述に沿って紹介した《丹沢の植生は30タイプ》ですが、これを地図上に植生別に色分けされたデータとして確認できるのが、《自然環境保全基礎調査 植生調査 2次メッシュ情報》。日本全国の植... -
丹沢の植生は30タイプ(3.植林・人工草地)
3連続講座《丹沢の植生は30タイプ》最終回の第三回目は今日では丹沢の森の多くを占めている植林および人工草地について丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)に沿って見ていきたいと思います。 3.植林および人工草地 19) 夏緑広葉樹植林 ケヤキ植林(... -
丹沢の植生は30タイプ(2.代償植生)
現存植生の多くは、本来その土地に生育していた自然植生(原生林など)が人間活動の影響によって置き換えられた代償植生であると言われています。その代表が二次林で、人工植林とは異なり、自然植生(原生林など)が何らかの原因で破壊されたあとに自然に... -
丹沢の病い9/10=河川工事の影響による水生生物層の衰退
河川工事が水生生物に及ぼす影響について(当然の指摘として)、丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)では次のように言っています。 堰堤の建設, 沢を横切る林道の建設の影響で、 沢水を泥が濁すことがあり、 カジカガエルなどの卵や幼生の死滅の原因と... -
丹沢の多層群落
これまで名前が出て来た丹沢の高木・亜高木・低木・草本をここにまとめてみました。今後も新たにわかり次第樹木名を追加する他、それぞれの写真などの掲載も考えており、目標は(いつになるやら未定ですが)丹沢植生図鑑の完成にあります。 ◎高木 アカガシ... -
丹沢の植生は30タイプ(1.自然植生)
丹沢の植生について丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)は、丹沢の東と西の任意の区域(モニタリングエリア)を設け調べることで、全体で3oの群集・群落の分布を明らかにしています。 まず、基本的な植生を大きく3タイプに分類。 自然植生 代償植生 植... -
丹沢の病い8/10=水質の汚染
【】 丹沢の病いシリーズの8回目ですが、今回は個人的にも関心が高い《丹沢の水》について。 随分前のことですが、富士山の伏流水に大腸菌が含まれていることがニュースに取り上げられたことがあります。それまでは、富士山の湧き水は300年ほど昔に降った... -
丹沢の病い7/10=生物相の人為的な撹乱
【】 丹沢の病いシリーズの7回目は丹沢の様々な箇所で露呈するようになった「生物相の人為的な攪乱」について。丹沢大山山系に分布する生物相がヒトの介入によって乱されているという現状を丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)では次のように言っていま...