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丹沢の病い10/10=人の立ち入りの影響

丹沢の病いシリーズの最終回は、これは永遠の課題とも言えそうな《人の立ち入りの影響》について。サブタイトルは「登山道の損傷、不法投棄、禁止区域への侵入」。

森は決してヒトのためにあるのではない!にもかかわらず、ヒトの一方的で傲慢な求愛?関係がこの問題を引き起こしている訳ですが、これについて、丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)では次のように言っています。

利用動態調査によると、 丹沢山地の利用者は年間約 100万人と推定され増加傾向にある。 利用者の大半は自家用車によって入山しており、ヤビツ峠、大倉など特定地域に利用者が集中している。利用者が集中している地域では、過剰利用の傾向があり、登山道の損傷が見られるとともに、ゴミの不法投棄が目立っている。 また、RV 車による禁止区域でのキャンプや林道などへの侵入も起こっている。(第1章  背景と調査計画 第1節  丹沢大山自然環境総合調査(1995)と丹沢大山保全計画」p4)

ここには二つの問題があり、一つは《丹沢の病い8水質の汚染》でも触れられたオーバーユースの問題。もう一つは利用者のマナー&モラル。上記の報告書は次のように提言しています。

入山する際のマナーを守る、ゴミの投棄、 沢の水を汚すこと、禁止地区でのキャンプ、山草の盗掘、林道への無断立ち入り、大人数での林床への踏み込みなどである。積極的に、丹沢山地の環境保全に貢献することもできる。 長期的なモニタリングに関わる調査活動、 林業の支援、入山者への自然解説などで、丹沢山地の保全に必要なことは、山地の中だけで考えればすむことではない。水を大量に消費することがダム建設の必要性の根拠となり、三保ダム、宮ヶ瀬ダムという山地内での大規模な土木工事が行われた. 大気汚染の大きな原因の一つが自動車の排気ガスによることはいうまでもない。このように、丹沢山地の自然環境変化の大きな原因は、 我々の都市的な生活そのものにある。(第1章  背景と調査計画 第1節  丹沢大山自然環境総合調査(1995)と丹沢大山保全計画」p4)

特にアンダーラインを付けたセンテンスには一言もなく、私たち=都市生活者はこうべを垂れながら、マナーを一つ一つただ守り続けるしか、ありません。line

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