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satakeDは《潜在自然植生の森づくり2.0》へ

ところで、《satakeD》の《D》って何なのよ?

主に丹沢をはじめとした日本の森の植生についてのアレ・コレを非能率的に、まとまりもなく綴っているこの脱力系備忘録のタイトルは《satakeD》。なかでも赤文字で記された《Dって一体全体何のことよ?と、聞いてくる人は皆無と言ってもいいほどほとんどいなかったのが、つい先日のこと、森についてさほど興味もないのに私の友達というだけで無理ヤリのようにこの備忘録を読むハメになってしまった一人の男が、やっと聞いてくれました。加えて、サブタイトルに《佐竹一郎事務所とナイスな仕事》と書いてあるのに、中身は森の植生のアレ・コレだけで、仕事のことなど皆無というのも、これも実におかしな話しだと指摘されたのでした。

一昔前はグラフィック・デザインの仕事をしていたため、その当時の私の周りからはデザイン:designの頭文字《D》であると、悩むことなく認識されていたと思うのですが、仕事をやめ、空いた時間を丹沢の森について考えるようになったあたりで顔見知りになったりして、たまに名刺をお渡しした時でも、私の方からこの謎めいた一文字《D》の説明を始める場合を除いて、先方から《D》についての質問を受けたことは、本当に数えるほどです。最近の私の交通関係がいかに狭く貧しいものであるかを物語る事例の一つとも言えるようで、その範囲はせいぜい直径3mほどでしょうか。

そこで、私の備忘録の数少ない貴重な読者の一人であるこの男の質問に話しを戻せば、《よくぞ聞いてくれてありがとう。実はこれには壮大な夢とプランが隠されているんだよ。題してmy dreams & business strategy。ではさっそくこの夢のプランを聞かせてあげよう。》と私が礼を述べると、彼は一瞬《わっ!やっぱり聞くんじゃなかった、何だか話しがすごく長くなりそう・・・》と困惑のしかめっ面を示すのですが、そんなことには構うことなく、この無理ヤリ読者男を相手にプレゼンテーションをした壮大な夢とプランの中身は以下のようなものだったのです。

《潜在自然植生の森づくり2.0》を始める。

数年前、丹沢の森の現状に目を向けるようになって以来、程なくして気付いたことのひとつが《潜在自然植生》という概念の他を寄せ付けない普遍的なポジションとその孤高です。人工林や雑木林の保全に努力する立場からみると、《潜在自然植生》とは野山にカネを生まない悪材でしかなく、また四季折々の移ろいを楽しませてくれる里山の景観というランドスケープ的な観点からしても暗くて劣る植生であるという烙印が社会通念として押されてしまっていることは、この備忘録でも何度となく取り上げて来ました。

加えて、丹沢の山林の管理主体である神奈川県が《(潜在自然植生である)常緑広葉樹は水源林には適さない》と明記し、《潜在自然植生》を門前払いしている方針には、その理不尽に衝撃を受けたことを思い出します。事実は宮脇昭さんが薦める植栽手法で育てる《(潜在自然植生である)常緑広葉樹ほど水源林に適した植生はない》からです。

だとしたら、今や森づくりの分野ではもっぱらイニシアティブを握っている人工林・雑木林・行政(神奈川県)という3つの壁を乗り越えるための最初の一歩はどういうアプローチにすべきか?を改めて考えてみる必要がありそうです。つまり、これまで宮脇方式の《潜在自然植生》の訴求法が、もっぱら自らの優位性をアピールすることだけに集中していたとすれば、これからはもっと多彩なアプローチで、人工林・雑木林・行政(神奈川県)という3つの大きな壁にも、宮脇式《潜在自然植生》の存在が決して彼らを脅かすものではなく、共存できる価値のある植生としてあることを自ら実証していくことも大切なのではないかと思うのです。例えば、人工林・雑木林の管理に手が回らず、このままだと他の自然や生態系にも悪影響を与えかねないような荒廃が進む森林に限って、宮脇方式による《潜在自然植生》が補完的にカバーするという取り組みから始めることも、そう悪くもないアイデアではないでしょうか。

そうやって宮脇式《潜在自然植生》がゆくゆくは植生のスタンダードの一つとして人工林・雑木林と共に肩を並べるために、何よりも行政(神奈川県)がこの植栽法を採用することに最初の目標を置くという戦術も考えられます。私はこの具体的な目標を掲げた森づくりを、今までの《潜在自然植生》の森づくりから、バージョンを一つ上げて《潜在自然植生の森づくり2.0》と呼ぶことにしたいのです。

《satakeD》の《D》には、森づくり2.0のための10の秘密がある。

という訳で、やっと話しの振り出しに戻れそうです。このアイデア《潜在自然植生の森づくり2.0》と連動するように、備忘録のタイトル《satakeD》の《D》の正体を、およそ10にまとめ10個のフィールド・ページを設けることでこの備忘録を再構成し、新しいスタートを切ることを半ば夢想したのですが、何分にも私の能力&実力がこの夢想にはまったく追いついていけずに、未だに挫折したままでいるのです。

では、前述の《多種多様なアプローチで・・・共存できる価値のある植生としてあることを自ら実証》するために用意した多種多様な10種類の《D》とは、一体全体どんなものなのか?その一覧をご覧ください。

例えば《Deep:森の深い味わい方》のページはこんな構成で。

この一覧表の、上から3番目にある《Deep:森の深い味わい方》とは一体全体どんなページなのか?そのイメージを簡単に紹介します。

《潜在自然植生》の専門家でもある植生工学士が、日本各地に点在するそのふるさとに特有なホンモノの森を訪ねて歩く一言でいうと《森のディープ・ツアー》案内ページ。昔から残る社寺林をはじめ、ヒトの手で作られた例えば明治神宮の森をめぐるツアーなどを想定。森の深度により以下のバナーのように初級・中級・上級の3コースを設け、少人数の募集人員+講師(植生工学士)による《森のディープ・ツアー》を敢行します。最終的には《ふるさとの森百選》が出来上がるまで続ける予定ですが。

(この稿未完)

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