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気象災害と森林植生

このところ自然災害、なかでも台風や豪雨などがもたらす気象災害が毎週のようにtvのニュースで取り上げられています。一晩でその地方の一ヶ月分の雨量を記録したなどという解説とともに画面の氾濫する河川や冠水した住宅地の映像を見るにつけ、そのうちこの風景が日常のことのようになってくるのではないだろうかと、大変不安にもなってしまいます。

この夏、東北地方を襲った台風災害は、この地方には初めての上陸だったことやその被害の大きさから、報道にも大きく取り上げられていましたが、特に気になったのは河川の氾濫に伴って橋や建物に積み重なる流木の多さです。

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上のニュース映像の a の部分を拡大したものが a’ です。多くの流木が濁流とともに人家や建物に流れ込もうとしているのがわかります。よく見ると、それらの一部は枝葉がついたままの大木も見られ、おそらく豪雨に耐え切れず、森の斜面の表層ごと崩落してしまい、土砂とともに流れてきたものと思われます。

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この写真が比較的小規模と思われる表層崩壊の事例です。斜面の角度、土壌の安定性や地盤の強度などの複合的な条件の限度を超えるような雨量によって引き起こされると言われます。したがって同じ雨量でも、1)森林の地形、2)地質、3)土壌などの物理条件や4)林相、5)樹種、6)密度などの生物条件によって全く様相は異なってくることになります。

他方、森林には雨水を林床や土壌などに一旦滞留させて、徐々に外部へと流すことにより、洪水を軽減したり、渇水を緩和する《水源涵養機能》があり、この頃のように豪雨により被害が多発するようになると、改めて注目されているのではないでしょうか。

水源涵養機能:森林への降雨は、樹木の樹冠や森林土壌などで滞留し、河川への流出量や流出時間がコントロールされる。また、一部は地下の地層や基岩へ浸透し地下水を形成する。森林自体は、水を生産する能力がない上、生理現象により水分を放出、消費するため、その機能には限界があるが、水源林として整備された森林を流域に持つ河川では、渇水時にも水量が確保されることが古くから知られている。(ウイキペディアより)

(この稿未完)

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