神奈川県のウェブサイトに公表されている丹沢大山総合調査学術報告書(2007年)によると、その第 1 章・第 1 節「丹沢大山自然環境総合調査(1995)と丹沢大山保全計画」では、1993〜1996年に実施された丹沢大山自然環境総合調査によって明らかになった問題点を下記のように10の項目にまとめて記載しています。今から約10年前には多くの環境問題が顕著に現れていたことを示唆しています。
(表は第1章・第1節「丹沢大山自然環境総合調査(1995)と丹沢大山保全計画」p3より転載)
このうち、前半の6項目は動植物の劣化現象を、後半は特に生態系への人間の侵入による悪影響を指摘するものとなっています。そして、これらの個々の原因や因果関係について具体的に触れた後で「丹沢山地の自然環境保全のための提言の概要」および「丹沢大山保全計画の概要」として私たちに問題解決のための指針を投げかけています。
(表は第1章・第1節「丹沢大山自然環境総合調査(1995)と丹沢大山保全計画」p5およびp7より転載)
これらの提言および概要には、森の生態系を再生し、維持するための極めて常識的な方法・手法が込められていますが、にもかかわらずこれらの一つ一つの対策がいかに困難な道のりであるかは、総合調査から10年あまり経った2014年の現在、行政や環境保全のボランティアの方がたによる努力にもかかわらず、状況はむしろ悪化くなっているというのが、私の想いです。
そして、仮に私にできることがあるとしても、上記の表にある「主要政策」のほんの一部「1.ブナ林や林床植生の保全」の中の「その他森林の保全・再生」の分野で格闘してみるほどのことだろうというのが、正直なところです。