前回の備忘録《主木の配置と昆植・密植》で、10m×5mの面積にポット苗12種類を3本/㎡の割合で昆植・密植した場合、150本の幼木を植樹することになるのですが、20〜30年後に生き残るのは、そのうちの8%足らずで、特に主木は縦横5m×5mの25㎡に1本が聳えることになりそうだと、勝手に推論したわけですが、都市・生活空間では大きな木は実際にはどのくらいの間隔で植えられているものなのでしょうか。手っ取り早く近所の事例をカメラに納めてきました。
事例1(5m間隔)
3本の常緑広葉樹がおよそ5m間隔で並んでいますが、中央の樹木の枝は左右に伸びきらず、窮屈な様子でたっています。また左右の2本も隣りに樹木がある方角には、枝が伸びていないこともわかります。常緑広葉樹などは5mの間隔だと、明らかにムリがありそうです。
事例2(10〜15m間隔)
この2枚の写真は桜並木。上のマンションと道路を区切っているサクラの木はおよそ10m間隔で並んでいます。引きがなく広角で撮ったため下の桜並木よりも広間隔のように見えますが、実際には下のほうが15mほどの十分な間隔を取っています。
下はすでに老木の域にあるのでしょうか、つっかえ棒が必要になっているとは言え、春になると満開の花が一瞬だけ咲き誇り、その後も風に揺れる葉桜が、私たちを長い間にわたって楽しませてくれるのです。マンション沿いの桜はまだ若く、枝も横にグングンと伸びていますが、枝と枝がお互いに交差するのももうすぐだと思われ、そのうち10m間隔だと枝打ちも必要になるはずです。やっぱり15m間隔ほどの、十分なゆとりが不可欠なのでしょうか。
このように2〜3の事例を見るだけでも、冒頭に推論したように、縦横5m×5mの25㎡の間隔では1本の主木を残すことはムリがあるのでしょうか。ここは一つ実際に宮脇さんの植樹事例を見学してみないといけません。