宮脇方式による《ふるさとの木によるふるさとの森づくり》のシリーズも5回目に入りました。webサイトに置かれている《横浜国立大学学術情報リポジトリ》のpdfファイル《ふるさとの木によるふるさとの森づくり》を、ひたすら書き写すことをこれまで続けてきたのですが、今回は二つの実践事例を写真で紹介します。
事例1は、私も先日見てきた横浜国立大学正門の保全林の記録。1979年の植栽当時からの大変貴重な写真が掲載されています。
潜在自然植生を基礎とした環境保全林形成ノウハウ例1。
横浜国立大学正門付近の通学道路沿い斜面に形成した例。かつては外来牧草が播種され、
荒廃していた幅2〜3、45°以下の斜面に竹や粗梁で土留めのしがらを組む。(1979年5月)
表土を掘り出した後に20〜30cm客土をする。
植栽直後に実施するマルチング用の稲藁を1㎡4kgの割合で準備する。
ポット苗植栽後直ちに地肌が見えないように稲藁でマルチングを実施する。
植栽後11年目。予算の関係で、除草、施肥などの管理は一切行なわれなかったが、
樹冠の高さ10mの立派な森となっている。(1990年9月)
事例2は、横浜国立大学環境科学研究センター駐車場の環境保全林。
潜在自然植生を基礎とした環境保全林形成ノウハウ2。
横浜国立大学環境科学研究センター駐車場。道路沿いのポット苗植栽後11ヶ月。
同上3年目。樹高2.5〜3mに成長。(1981年4月)
植栽後11年目。樹高10mの見事な環境保全林が形成されている。
管理費がまったく掛けられなかったために、林縁沿いに美化を考慮した
カンツバキ、クチナシなどの花木によるマント群落の形成が十分でない。(1990年7月)