木を植える!事業計画を考える(4)

《木を植える!》事業計画を考える(3)の続き

前回は神奈川県の水源林再生・保全事業《成長の森》を参考にしながら、《宮脇式潜在自然植生の密植・混植》による常緑広葉樹の植樹事業の場合の設備資金&運転資金一覧表を作ってみました。また顧客数との組み合わせから苗木1本の販売価格を算出してみました。

ここで、また一つ困難な課題に立ち往生しています。この顧客数=市場ニーズまたは市場規模はどんな方法を採ればより現実に沿った数字を導き出せるのでしょうか。今日はこの難しすぎる問題に大胆にもアプローチしてみます。

ちなみに神奈川県の《成長の森》事業の場合の募集人員(毎年)500人は、マーケットの規模から算出されたのではなく、主に予算から出てきた数字だと思われます。それも1本の苗木を(参加料という名目で)3,000円という大変リーズナブルな価格で販売しているのですが、なかなか定員を満たしてくれないようです。その原因はどこにあるのでしょうか。プロモーション不足による低い認知度のせいなのか、その年に生まれた赤ちゃんがいる家族に限るというターゲット層の狭さに起因するのか、そもそも市場のニーズの問題なのか、様々な角度からの検討が欠かせないようです。

《木を植える!》事業と2つの環境分析

商品やサービスを顧客に提供しようとする事業を成功させるためには、世の中の変化や流れ、トレンドに応えることが必要になります。そこで事業戦略をたてる際に不可欠なるのが環境分析だそうです。環境分析には外部と内部の環境分析に大別され、更に外部環境分析は《マクロ環境分析(PEST)》と《ミクロ環境分析(市場・競合)》の二つがあり、それぞれ事業戦略をたてる上では大きな役割を担っています。まず、PEST分析により環境変化や事業活動に影響を与える要因を探ることができるという《マクロ環境分析》について考えてみましょう。

1.《マクロ環境分析》

pest

上図はPEST分析の一例ですが、事業に関連すると思われる項目を挙げ、現状を把握し今後の動向を予測することで、事業にとってチャンス・脅威の分析に役立てます。総じて、環境の変化や影響をポジティブ&ネガティブの両面から把握・分析するのが《マクロ環境分析》になります。

これを《木を植える!》事業に当てはめてみると、この事業の今後の動向を見極める上で、大変有意義な要因を示してくれます。つまり《木を植える!》事業にとって何が追い風になって、反対に何が逆風になるのか、それぞれの課題が具体的に現れてくるようになり、事業の可能性もまた、少しは見えてくるのかもしれません。

《木を植える!》事業の場合もそうですが、Politics法律によるルール改正はもちろんそれに伴う関係省庁の《指針》等ガイドラインについてもしっかりと目を通しておくと、予想外以上に有益となります。EconomyやSocietyについては最も重視すべき分野であり、日々の情報収集を貪欲に行う慣習を身につけ、これを土台に事業可能性を判断できるようになりたいものです。最後にTecnologyの分野でも、宮脇式潜在自然植生の密植・混植》による常緑広葉樹の植樹事業には直接関わりはないのですが、植栽段階まで進んでいるという無花粉スギの生育状況の把握など、多少は目を向けておくことも大切なようです。

2.《ミクロ環境分析》

次に市場の動向、とりわけ顧客ニーズや競争相手の動向などを調べ分析する《ミクロ環境分析》に移ります。主に事業に直結する市場・顧客・競合相手の動向を把握し分析することで、自らのポジショニングを明らかにします。

ミクロ環境分析

《マクロ環境分析》が事業業績に間接的に影響を与えるのに対して、《ミクロ環境分析》は直接反映する外部環境分析ということがわかりました。これまで、漠然と考えてその場限りの課題でしかなかった様々な外的要因を一覧表にしてまとめてみると、社会の動きや業界の動向が具体的に見えてくるといいます。

という訳で私の《木を植える!》事業の場合の、二つの環境分析一覧を秘密裏に作ってみたのですが、このページの冒頭で採り上げた顧客数を具体的に市場規模から導き出してみるという課題はまったく解決しないままです。《木を植える!》といっても、私の場合は世の中の常識であるスギやヒノキの針葉樹の植栽ではなく、《宮脇式潜在自然植生の密植・混植》による常緑広葉樹のそれであるため、コンペティターほとんど存在しないといっても過言ではなく、比較検討する対象の不在が大きな原因の一つだと思われます。

(この稿続く)

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