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ふるさとの森と育樹の親密な関係

《潜在自然植生》つまりふるさとの森づくり事業では、植樹から2〜3年の間は《育樹》という主に除草作業のプロセスが必須になります。この期間は植樹したばかりの小さな苗木よりも、より生命力のある雑草の成長の方が早く、苗木の日照を遮ってしまうからだそうです。

2016秋  湘南国際村めぐりの森  育樹イベント

という訳で、先日レナフォ(国際ふるさとの森づくり協会)+社会福祉法人進和学園が主催した《育樹》イベントに参加し、雑草取りに汗を流してきました。このイベントの開催地となった三浦半島の葉山町にある湘南国際村は、今年6月に同じくレナフォ主催の《ふるさとの森づくり専門家研修・植栽事例調査&植樹実習》のために訪れ、ポット苗の植樹の実習を体験した場所でもあります。あれから4ヶ月余り。あの時に植えた《潜在自然植生》つまりふるさとの森の苗木たちはどうなっているのでしょうか。実は、あの苗木たちの様子をこの目でしっかりと確認したいという一心で、今回の育樹イベント参加したという訳です。

まずは、6月の植樹の様子を振り返ってみる

6月の植樹は研修の一環としての時限実習だったため、面積はわずか12㎡と大変狭いスペースに過ぎなかったのですが、山の斜面での植樹を想定したものだったため、私のようなビギナーそれも老骨にムチ打つような老人にとってみると、結構大変な作業だったことを告白しなければなりません。さっそく、その時の汗をかきながらの作業プロセスを写真*で振り返ってみましょう。

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*ここまでの植栽時の写真は、当日の作業にも参加されたeri58ndesさんからお借りしたもの。掲載の許可もいただいたものです。この場を借りてお礼を申し上げます。貴重な記録としてキチンと残すことができ、大変助かりました。ありがとうございました。

以上、今からおよそ4ヶ月前の6月に行った植樹現場の作業プロセスを写真で紹介しました。では今現在、この現場はどんな様子なのでしょうか。11月初旬のポット苗の発育の様子を次に見てみましょう。

マルチングの効果がしっかり認められ、ひと安心。

この写真は、ひとつ上の植栽時の写真(6)と同じようなアングルで少し寄って撮ったもの。これら2枚の写真を比べてみると、一見雑草は我がモノ顔でに植栽地内に侵入し、マルチングのために厚い束の層になるように敷き詰めたはずの稲ワラも斜面の傾きに沿って流れてしまい、無残な様相を見せているかのようですが、上下の写真それぞれ赤い丸で囲んだ常緑広葉樹の苗木は同じもの。苗木はすでに二倍以上も高く生育しているようです。

しかも苗木の周りで地を這うようにはびこっている蔓性のものを主とする雑草は、苗木よりも低いため、私たちの主人公は日光を十分に浴びており、高い生育度を実現しています。また、12㎡の植栽地に植えた12種類36本の苗木は、数えてみると全て順調に育っていました。ただ、端っこの2〜3本が背も低く、周りから襲ってくる雑草に押され気味の様子でしたが、除草をキチンと続けているとそのうち、仲間に追いつくようになるそうです。

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植栽地が雑草に囲まれているとはいえ、近寄ってみると、マルチングの稲ワラもワラ縄もしっかり役目を果たし続けていることがよくわかります。ところどころに稲ワラの隙間から雑草が姿を見せている程度です。この湘南国際村は宮脇式の潜在自然植生をはじめとしたさまざまな種類の植栽の実験場とも言われ、実は、宮脇式vs他の植生を比較してみることも隠された楽しみの一つでもあります。例えば、マルチングを施さないままの、苗木だけの植生現場に行ってみると、せっかく綺麗に草取りをし、土には肥料を入れた上で苗木の植樹をしたはずなのに、半年〜1年でそれはもう雑草だけがまるで主人公のように繁茂する状態に陥っている事例をたびたび目にすることがあります。

このマルチングは植樹から1〜2年間はしっかりと表層土の保護や雑草の抑制などの役割を果たし続けてくれ、その後稲ワラは微生物によって分解されることで有機肥料となり、苗木の生育を支えてくれます。

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上は除草作業の様子。日の光を求めて周囲から侵入してくる蔓性の植物がほとんどで、手作業で簡単に駆除できました。時間もあっという間の出来事でした。(この稿未完)

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