森のビジネス発展系

木を植えよ!s私の教科書『木を植えよ!』(宮脇昭著 新潮選書 2006年)を読み進めると、丹沢の事業を目指す者としては特に興味深いことが2つ書かれています。

その注目すべきは第一に、山間部に限らず日本のどこでも木を植えて森を作ることを呼びかけていることです。この『木を植えよ!』はそのための理論と実践を兼ね備えた第一級の教科書でもある訳です。そして第二に、その土地の本来の主木を中心に構成される自然に近い多層群落の森は、長期にわたって維持・管理のコストが低いことを説かれています。この点は、事業の採算性の上で大変重要なポイントになります。その土地本来の主木の樹種を植える《潜在自然植生》の方法だと、なぜ森の維持・管理に手がかからないのか?植樹から最初の二〜三年はできれば年に二回は除草する必要があるのですが、その後は自然の生育にまかせることができると、次のように書かれています。

三〜五年経つと幼苗は二〜三メートルの高さに育ち、樹冠が樹床を覆って、日光が樹床まであまり届かなくなってきます。陽性の雑草は生育困難になり、ほとんど雑草の生える余地はなくなります。したがって、植樹後四〜五年後からは、人間による管理は基本的に不要になってくるのです。この後は、自然淘汰によって、時間とともに、多様性に富んだ土地本来の多様群落が構成され、自然に近い森林生態系が形成されていきます。(宮脇昭著『木を植えよ!』p173-p174より抜粋しました)

さらに本書では、芝生や外来種などの他の植樹方法とも具体的に比較しながら、その土地本来の主木の樹種を植える《潜在自然植生》の方法によるメリットを展開されています。森や緑を考える多くの方に読んでいただきたいものです。

このページを読んだ時に頭をかすめたことをノートに書いたのが、この写しです。
ビジネス発展系
つまり、丹沢の森を植樹により再生し、長期的な維持・管理を目指すことで完結させるのではなく、これをまず第一の事業ステップと位置づけます。次にここで蓄積した技術をベースにして、《森を作る職能チーム》を目的意識的に育成、都市空間にも自然の森を作る事業として展開する第二のステップを踏み出すというものです。今までの人工的な「緑」とは違う自然本来の森のもつ美学と圧倒的なコストパフォーマンスが強い味方になってくれるはずです。

こうして、発展するビジネスの夢だけは、はてしなく拡がってゆくようです。
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