机上の空論=大山植樹事業試論の4回目は、《サカキ—ウラジロガシ群集》の多層群落を構成する10種類の樹種の植樹一覧表を以下に示します。
下草のヤマイタチシダを除いた全ての樹種は、成熟したドングリや果実を初年度の10-11月にかけて一度に採集し、育苗箱に種まきすることになります。そこで冬を越したまま育苗箱で育てられた幼苗を翌年の春に順次ポットに移し替えます。これらのポット苗が30-50cmほどの高さに成長するまでの期間(ポット苗に移植後1.5〜2年ほど)このままの状態で育て、4年目の初夏の頃、植樹するのが理想的と思われます。
このように、4年目にして初めて植樹可能になるという気が長くなるような事業プロセスを要することになります。ここで注目したいのは、ヤマイタチシダの場合と同様に他の樹種でも、種子から発芽して地面に生じた実生の幼苗を利用できないか、という問題です。実生をポット苗に移し替えて育てることは可能だと思われますが、30-50cmほどの高さに成長した多くの苗が実際に存在するかどうか、存在するにしてもその樹種が(例えば100㎡あたり)どの程度の本数が標準的なのか、これから調べてみる必要があります。
この植樹プロセスで特に留意すべき事項を列記します。
- 春の発芽を待つ育苗箱には、冬場の乾燥を防ぐために、12月〜翌年の1月にかけて稲藁や枯れ葉で表土を覆うマルチングを施す。
- ポット苗には肥料を与えて栄養を補給するのが11〜12月。緩行性の肥料を、1年生苗には1粒、2年生苗には3〜4粒を加える。