木を植える!事業計画を考える(3)

木を植える!事業計画を考える(2)の続き
前回のまとめから始めます。事業の定義および根拠がかなり怪しいのですが、神奈川県の水源林再生・保全施策の実績をもとに自我流で導き出した事業経費とそこからはじき出した商品(苗木)の販売価格の3つをこのように定義しました。

事業の定義

ここで、一旦上の3つの定義から離れて《宮脇式潜在自然植生の密植・混植》の場合を考えてみます。宮脇式を採用するとなると、自前でその土地本来の樹種を選定し、どんぐりの採集から始める必要があります。これら販売開始までの準備期間を含めた《宮脇式潜在自然植生の密植・混植》事業の推移を時系列で見てみましょう。

スケジュール

上図のように《宮脇式潜在自然植生の密植・混植》を採用する場合は、樹種を選定→どんぐりの収集→播種→ポット苗の育成という一連の準備にに3年ほどの時間が必要となり、植樹ができるのは事業スタートから36ヶ月を過ぎた4年目となることがわかります。このため設備資金に加え、販売を開始し売り上げを計上できるまでの2〜3年間にかかる運転資金を算出する必要があります。

そこで、事業規模を神奈川県《成長の森》事業と同じように、顧客数500(植樹数5,500)〜その2倍ほどとした場合の6年間のコスト一覧をざっくりと、以下の4項目を念頭に作ってみました。

● ポット苗を作り植樹する区域を《農園》、営業&販売促進等の拠点を《事務所》と仮称する。
● 顧客が購入した苗の植樹は開業4年度となり、その前年の3年度から営業を開始する。
● マンパワーの比率は農園:事務所=1:1とする。
● ウェブを中軸にしたプロモーションおよび顧客サポートに重点を置く営業を基本とする。

次に、開業から6年間の数字が上の通りに推移すると仮定し、6年目で見かけ上の事業収支を±0*にする目標を立ててみます。つまり、7年度以降は少しぐらいは収益を獲得し、その後の樹木管理費用に充当しようとの魂胆です。そのためには、顧客数および苗木の販売価格の設定が課題となってきます。

厳密には、樹木の30年間の管理コストは前回の備忘録で述べたように、植樹年までのコストを10とすると、その後の3年間は3×3=9、残りの26年間のそれは最大で1×26=26最小で0.5×26=13となる。従ってコストの総額は32〜45となり、本来であれば植樹年に使えるのは販売価格の10/32〜10/45ということになる。とは言ってはみたものの、実際の大手企業の森林管理の状況を調べてみると、東京ドーム(約4.7ha)の何倍もあるような広大な針葉樹林の管理でも、わずか数名のプロフェッショナルで賄えているという。針葉樹林はこれまで何度も述べてきたように、広葉樹林とは異なり、林床の保全から枝打ち、間伐などの持続的な手入れが欠かせないものだが、それでもこの程度の、予想外に少ないマンパワーでも優良林としての維持が可能ということのようだ。であれば、私の1ha(単年度)にも満たない、しかも植樹から4〜5年経てば、それ以降は人の手による管理も不要になるという常緑広葉樹の場合は「残りの26年間のそれ」は大胆に切り詰めることができるハズである。

苗木の価格

顧客数を神奈川県《成長の森》事業と同様の毎年500に設定した場合の苗木1本の販売価格は約13万円、二倍の1,000人とすると6万円強となります。このページの冒頭に示した神奈川県《成長の森》事業では苗木1本を育てる費用から算出した(かなりアバウトな)販売価格は13万円〜20万円としたことと合わせて考えると、妥当と言える数字なのでしょうか。

(この稿続く)

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