毎週日曜の夜、5分間のTV番組『峠[TOUGE]』を見るのが楽しみの一つになっています。スポーツカーtoyota86のプロモーションのための番組で、このスポーツカーの赤い、なめらかな車体が毎週、日本全国の峠道をドライブする風景を撮ったものです。とりわけ見ていてココロいいのは(番組制作にあたり、clとの間に交わしたと思われる「制限速度は必ずこれを厳守すること」という契約書に従ったまでのこととは言え)そのゆったりとした確実な走り。空気抵抗を極限まで削ったフォルムの対極にあるようなドライバーの熟成されたテクニックに、いつも思わず憧れてしまうのです。
もちろん、森の真ん中をまっすぐに突っ走るコンクリートの道や、山々の起伏に沿うように続くワインディングロードはそれだけで、大型動物の生態範囲を分断するものあり、自動車の廃棄ガスが生物に与える影響もわかってはいるですが、にもかかわらず、深緑の森が姿形を次第に変えながら近づいて来てはまた遠ざかるのを繰り返すその映像は、私のアドレナリンを刺激せずにはいられません。
今日は、このTV番組『峠[TOUGE]』の中から、いろんな森と緑の表情をピックアップしてみました。(ここに貼った画像は残念ながら、クリックしても動きません)
写真は宮崎県から鹿児島県にまたがる《えびのスカイライン》
左:霧島神社の鳥居。鎮守の森の周囲にはきっと潜在自然植生の森がある。 右:道の両側に拡がるは南国の森の主木か。
写真は鹿児島県《指宿スカイライン》
左:幾重にも重なる山々とうっそうと茂る森 右:引き潮時に道ができる小島の森(両方ともに常緑広葉樹林のはずである)
写真は宮崎県の《大戸野越》。周りの森の色とはひと味違う深い緑に包まれた杉林の中を道が続く。
宮脇昭さんが言う「一見、美しいカタチをした」針葉樹との混合林が拡がる。
写真は宮崎県《日南フェニックスロード》
左:海岸線を走る道に山からの森が迫る。 右:野生馬の放牧のために山肌が草原化してしまったのか、都井岬の山。
写真は左が鹿児島県の桜島溶岩道路・右は北海道の知床峠
一方は溶岩の上に何とか乗ったような新しい森。一方は数万年前に海からゆっくり森に移り変わったという対照的な森の風景
写真は北海道の清里峠
左:摩周湖の中の島の、おそらく手つかずの?その土地本来の豊かな森が残っている。 右:畑にまで競り出ている二次林?
写真は北海道《仮監峠・達古武峠》と《津別峠・美幌峠》のワンシーンから。
「北海道はミズナラ、カシワ、イタヤカエデなどの落葉樹林域で、札幌と函館のほぼ中間にある黒松内低地以南の山地ではブナも自生しています。北海道の亜高山帯ではエゾマツ、トドマツなどが優占しています。」(宮脇昭著『木を植えよ!』p100)
写真は《八甲田・十和田ゴールドライン》。地元で命の森と言われる樹齢200〜250年のブナの原生林が緑の回廊を作っている。
この緑も、季節の移ろいと共にやがては黄金色に染まる時を毎年繰り返えす。それが、いつまで続くのだろうか?